今日偶然だが、懐かしい記録を見つけた。
2008年12月17日付けニューヨーク発、共同通信によると、アメリカ東岸イギリス領バミューダ諸島の南1200キロ付近で、12人が乗った旅客機が15日から行方不明になり、アメリカでは「魔のトライアングル」に遭遇したのではないかと話題になっている・・・と言うものだ。
アメリカ、ノーフォーク沖の大西洋上にバミューダ諸島と言う島が有り、この付近を中心とした三角形の海域では船や飛行機が忽然と姿を消したり、突然正体不明の船が現れたりして、昔から「謎の海域」とされていた。
四次元に通じている、磁場の異常で次元転移を起すなど、想像逞しくいろんな説が流れたが、確かにこの地域での遭難は多く、その殆どが全く何の連絡も無く突然姿を消していることから、長年世界の七不思議に数えられていた。
そうした不思議な事件の中でも、スティブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが世界に衝撃を与えた映画「未知との遭遇」で、最後宇宙人の船から解放される第2次世界大戦当時の兵士達の場面、何故彼等が宇宙人によって現代に開放されることになったか、その元になった事件を少し紹介しておこう。
1945年12月5日、フォート・ローダーダール海軍航空基地を出発した6機の軍用機、(乗員27名)はフロリダ上空での飛行訓練へと向っていた。
2時01分、訓練は順調で、管制塔にも「飛行状態良好、これより訓練に移るため暫く連絡を中止する」と無電があった。
この訓練にはかなり腕のいいパイロット達が搭乗していた。
3時45分、訓練終了間際のことだった。
突然管制塔にメーデーの無電が入る。
「管制塔、管制塔、こちら指令機。現在位置不明、進路不明」
「陸地が見えない。我々がどこにいるのか見当が付かない」
「こちら管制塔、雲に突っ込んだのか?他の機はどうした」
管制官は必死で呼びかけた、しかしそれに対する返事は「ガーガーガー」と言う雑音で、応答が無い。
それから暫く無電は途切れたが、5分後に今度は飛んでいる訓練機同志の連絡がキャッチされた。
「司令機から5番機へ、こちら指揮不能に付き、5番機より指揮を頼む・・・」
管制塔は明らかに異常が起こったことを察知し、何とか連絡を付けようと試みる。
「司令塔より司令機へ、応答せよ、応答せよ」だが、どうしても連絡は取れなかった。
4時45分、帰着時間はとうに過ぎていた。
不意に連絡が入る「どこにいるのかはっきりしない・・・・基地の北東360キロ?・・・」
そして「見ろ、我々がいるところは・・・・」
という驚愕の声がして、後すべての会話は途絶え、空電だけになった。
ただちに大型マーチン飛行艇が13人の搭乗員と救命用具を積んで救助に向った。
しかしこの飛行機も5分後に連絡が取れなくなってしまう。
こうした事態に大型空母「ソロモンズ」をはじめ、21隻の艦艇が遭難海域を捜索、300を越える航空機が空から、12の捜索隊が陸から付近一帯を探索したが、破片1つ、油の痕跡1つ見つからなかったのである。
後に海軍査問委員会は次のように報告している。
「この件に付いて、原因、事態が何であったのかすら誰も理解できなかった」
この地域ではこれまで30機に及ぶ航空機が跡形も無く消失しているが、いずれも事故究明委員会がその説明すら出来ないままになっている。
スピルバーグとジョージ・ルーカスはこの事件を映画の中で解決し、現代の兵士達に彼等を丁重に扱わせていたのである。
2008年12月15日からこの付近で行方不明になっている旅客機もどこか未知の次元に迷い込んでしまったのだろうか・・・。