「山際のあぜ道」

強い西日を浴びていると暖かいが、それも夕方近くになると翳り(かげり)が大きくなり、幾ばくかの肌寒さはまた僅かな寂しさを呼び、遠い子供の頃の光景が脳裏をよぎる。 父も母も元気で、私達兄弟もこの田で刈られた稲を運んでいた、そ...