1・「老占い師の怪」

或る街角の商店街のはずれ、ここに二尺(60cm)ばかりの机に数種の占木を並べ、客を待っている初老の占い師の姿があった。 両の手を広い袖の中にしまい、遠くを眺めるその姿はいかにも只者ではない様相だったが、白い髭をたくわえた...